不登校になる原因ランキング10選│原因がわからないときの対処法を解説! 更新時間 2024.04.09
不登校になってしまう原因は、友人や先輩からのいじめや嫌がらせ、学力不振、家庭環境、コロナ禍による生活の変化などがあげられます。
また現代では、「無理をしてまで学校に行かないくていい」というスタンスが芽生えつつあり、ポジティブな理由で不登校になる生徒も増えているようです。
ある日突然、子どもが「学校に行きたくない」と言い出した場合、親は必死で原因を見つけようとしますが、本人も理由が分からないケースは少なくありません。
この記事では、不登校になってしまう原因を探りながら、原因が分からないときの対処法について徹底解説しています。
また不登校になったときのNG行動ややるべきことも紹介していますので、不登校による悩みを抱えている方は参考にしてみてください。
【2022年最新版】不登校になる原因10選!
令和2年度の不登校生徒数は、小学校・中学校・高校を合わせると約24万人となっており、いつ誰が不登校になってもおかしくない時代です。
本章では、不登校になる原因を1位〜10位までランキング形式でご紹介しています。
ひと昔前にはなかったような原因も上がっていますので、気になる方はチェックしてみてください。
1位:学校での人間関係
不登校になってしまう理由で、もっとも多いのが「人間関係」です。
友人や同級生だけに限らず、先輩や後輩、先生との問題も原因の1つとして考えられます。
社会問題になっているいじめ問題も、クラスメイトは分かっているが大人だけが気づかない場合が多く、事件やトラブルが起こって初めて分かったというケースも少なくないでしょう。
いじめを受けた本人も、「親を心配させたくない」という思いから誰にも相談できず、問題が発覚しづらくなっています。
また令和2年度に実施された不登校児童の実態調査によると、「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」について、30%の小学生が「先生が原因」と答えていました。
人間関係というと、友人とのトラブルやいじめを連想してしまいがちですが、先生の態度や発言が原因で学校へ行かないケースがあることを覚えておく必要があります。
2位:無気力
人間関係の次に多いのが、子どもの現代病とも考えられる「無気力」です。
無気力は中学生や高校生に加え、好奇心が旺盛な小学生にも多く、不登校の大きな問題となっています。
意外かもしれませんが、真面目で落ち着いていて、平均以上の学力を持った生徒に多いのが特徴です。
「学校に行きたい!」「遊びたい!」といった行動力がなく、自分の意見や要望もあまりありません。
周囲ははっきりした原因が分からず困惑してしまうことも多く、対処法もむずかしい不登校の1つとなっています。
3位:勉強の遅れ・成績が悪い
学業不振で学校に行かないケースも、不登校の原因の10%近くを占めています。
「勉強がついていけない」「成績が伸びない」「テストの点が悪い」という悩みが原因で、授業を受けるのが辛くなり学校に行けなくなってしまうのです。
また受験勉強の疲れや親からの過剰な期待、進路や進学への不安から、不登校になってしまう学生も少なくありません。
中学受験や高校受験でワンランク上の学校へ合格したものの、授業が始まってみると周囲のレベルについていけずフェードアウトしたり、受験で燃え尽きてしまったりするケースも当てはまります。
4位:学校に馴染めない
新しいクラスや学校に馴染めず、「自分の居場所がない」と感じて不登校になる子どももたくさんいます。
このケースは新年度を迎え、進学やクラス替えをするタイミングに多いのが特徴です。
新しく出来たグループの輪に入れなかったり、休み時間に一緒に過ごす友人がいなかったりすると不登校になってしまうのです。
また親の仕事の都合で転校になり、新しくゼロから友だちを作らないといけないケースも、子どもは大きな負担を感じて学校に行きたくなくなってしまうことがあります。
さらに最近は、学校に対して恐怖心や不信感を抱いたり、集団生活が苦手な子どもいたりして、スムーズに学校に行くことがむずかしくなっているようです。
5位:家族関係や家庭環境
不登校の理由が家庭内にあるケースも、実はめずらしくありません。
両親の離婚や日常的な言い争いなどで子どもがストレスを感じ、学校や友だちとの関わりを避けるようになるケースもあります。
またリストラなどによる生活の困窮によって、親が子どもに八つ当たりしたり追い詰めたりして、次第に心を閉ざしてしまう子どもも少なくありません。
コロナ禍で生活が一変した母子家庭の貧困問題も、ニュースなどでよく取り上げられていますが、満足にご飯を食べれない子どもも日本にはたくさんいます。
経済的な理由から親子の関係に溝ができ、未成年でありながら飲酒したり非行に走ったりするなど、家庭の数だけ問題はさまざまです。
6位:朝起きられないなど生活の乱れ
次も家庭内の問題の1つですが、不規則な生活が原因で朝起きれず、不登校になってしまうケースもあります。
文部科学省の調査によると、34%の子どもが「生活リズムの乱れ」によって不登校になったと回答しています。
テレビゲームやスマホでの寝不足に加え、勉強や習い事、部活動などとの両立で十分な睡眠時間がとれず、朝起きられない原因の1つになっています。
7位:原因が自分でも分からない
実は不登校になった原因が、本人も周囲も分からないというケースはあります。
勉強についていけない訳でもなく、友人とトラブルなどがあった訳ではないのに、なぜか学校に行きたくない・行けないという子どもが20%以上も該当することが分かりました。
不登校の原因が分からないとき、親はあらゆる手を使って原因を見つけ出し、学校に行かせようとします。
しかし対処法を間違ってしまうと、子どもはさらに心を閉ざし、学校に行かなくなってしまうので注意が必要です。
このときの正しい対処法については、本記事の次の章で詳しく解説しています。
8位:身体の不調
「低血圧」などの体質が原因で、不登校になってしまうケースも少なくありません。
また学校に行こうとするとお腹や頭が痛くなる子どもも多いです。
文部科学省による「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」の調査について、小学生の約26%、中学生の約33%が、「身体の不調」が原因で不登校になったと答えています。
この場合、体質による体調不調が、実はストレスや心の病が原因だったということも考えなくてはいけません。
とくに小さい子どもの場合、精神的なストレスに本人が気づけないケースもあるので、大人が注意深く見守ってあげることが重要になるでしょう。
9位:発達障害
発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害です。
教科によって得意・不得意に大きな差があったり、文章や物事の理解に時間がかったりするなどの症状がみられます。
しかし知能的能力には問題がないことから、親や周囲が気づきにくいという特徴があります。
そのため「わがまま」「自己中心的」「扱いにくい子ども」など、批判されてしまうことも少なくありません。
気分の浮き沈みが激しかったり、状況に合わせた行動ができなかったりして、不登校になってしまうケースもみられます。
しかし「障害」を「個性」と捉える専門家もいて、過ごしやすい環境を整えてあげながら子供にあったサポートをしていくこと重要だと説いています。
また、類似したものとして、起立性機能障害についてまとめている記事もありますので、「起立性機能障害とは?起立性機能障害に通信制高校がおすすめな理由を紹介!」も是非ご覧ください。
10位:学校に行く理由が理解できない
「なぜ学校に行かなくてはならないのかが理解できない」 「行かなくてもいいと思った」
と考えている不登校児童は、15%近くにのぼります。
ほとんどの子どもは「学校へは当然行くもの」と考えていますが、一部の子どもは「学校へ行く意味」を考え、「行かなくてもいい」と判断しているようです。
今はインターネットなどを通して学校と同じような学習ができるため、わざわざ学校へ行かなくても勉強できると考えているのでしょう。
学校が合わなかったり、自分の好きなことだけに集中したかったりすれば、学校以外の場で学ぶことを選択しても不思議ではありません。
しかし学校に行かないことで出席日数が足りず、内申点に影響して進学がむずかしくなるケースも考えておく必要があります。
不登校の原因が分からないときの親の対処法
不登校になるさまざまな原因を見てきましたが、原因が分からないケースもありました。
不登校の原因が分からないとき、親や周囲の大人はどのように対応したらいいのでしょうか?
ここでは、以下の2つの項目について詳しく解説しています。
- 不登校の原因が分からないときのNG行動
- 不登校の原因が分からないときにするべき行動
不登校の原因が分からないときのNG行動
不登校の原因が分からないとき、親や周囲がやってはいけないことは以下の4つです。
- 無理やり学校に行かせようとする
- 強引に原因を追求する
- 不登校を放置する
- 嫌がることをさせる
では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。
1, 無理やり学校に行かせようとする
学校に行きたくないという子どもを、無理やり行かせようとするのは止めましょう。
子どもの気持ちを無視することで、学校へ行かないだけでなく、親子関係や周囲との関係まで悪化させることになりかねません。
不登校になってしまった子ども自身も不安を感じているので、罪悪感を助長するような行動はしないことが大切です。
2, 強引に原因を追求する
「どうして学校に行かないの?」
「友だちにいじめられてるの?名前を言いなさい!」
「話さないなら先生に直接聞いてみるから」
このように、大人が強引に原因を追求することもNG行動の1つです。
原因が分からないという不安から「何でも話してほしい!」と懇願し、子どもを追い詰めてしまう大人も少なくありません。
「心配をかけるから言いたくない」「いろんな問題があり過ぎて自分でも収拾できない」など、子どもには言いたくても言えない事情があることを理解してあげることが重要です。
3, 不登校を放置する
「何も話してくれないから」「原因が分からないから」といって、不登校を放置したままにするのも良くありません。
原因が分からなくても、子どもの気持ちに寄り添ってあげることはできるはずです。
まずは気持ちを安定させることを優先し、自発的に話してくれるのを待つ姿勢を示しましょう。
4, 嫌がることをさせる
不登校になってしまうと勉強についていけないと不安になり、勉強を強制してしまう親も少なくないでしょう。
これは勉強だけじゃなく、スポーツや家事なども同じです。
不登校になってしまった子どもは、物事を前向きに捉えることがむずかしく、何に対しても気力がなくなってしまいます。
だからと言って、「じっと家にいてもやることがないでしょ!」と注意し、嫌がることを無理やり押し付けるのはやめましょう。
不登校の原因が分からないときにするべき行動
次に、不登校の原因が分からないときに、周囲がとるべき行動は以下の4つです。
- 子どもの気持ちを理解する
- 子どもが安心できる居場所をつくる
- 子どもと一緒に日常を楽しむ
- 専門機関に相談する
では、4つの内容について詳しく解説していきます。
1, 子どもの気持ちを理解する
不登校になってしまった場合にもっとも大切なことは、子どもの気持ちに寄り添ってあげることです。
子どもの気持ちを尊重し、話を聞いてあげるようにしてください。
そのとき、子どもの話や感情を否定してはいけません。
共感しながらしっかりと話を聞くことで、「自分の気持ちを受け入れてくれた」と安心させることができます。
2, 子どもが安心できる居場所をつくる
子どもが不登校になったとき、家の中でも原因を問い詰めてばかりいたら、子どもは自分の居場所がないと感じてしまいます。
学校に居場所がなく不登校になってしまった場合は、家や別の場所に自分の居場所を求めます。
しかし家の中も安心できないとなると、精神的な大きな不安やストレスを抱え込むことになってしまい、さらに自分の殻の中に閉じこもってしまうかもしれません。
学校に行かなくても怒られない、ありのままの自分を認めてくれる、そんな居場所を作ってあげるようにましょう。
3, 子どもと一緒に日常を楽しむ
不登校になった場合、1日中テレビやゲームばかりして過ごす子どもも多いと思います。
しばらくは様子を見ていてもいいですが、普段できないことをやらせてあげるのもいいかもしれません。
一緒にご飯を作ったり映画をみたり、日常を共に過ごすことで自然と会話も増え、信頼できる関係を築くことができるでしょう。
4, 専門機関に相談する
「周囲の人だけでは解決できないかも」
「学校に相談しても先が見えない」
と感じたら、専門家や支援機関に相談してみるのも良い方法です。
公的機関の教育相談センターや地域支援センターなどでは、社会福祉士や臨床心理士といった専門家が在籍し、不登校の悩みについて無料で相談に乗ってくれます。
また民間施設も充実しており、フリースクールやカウンセリング施設を通して学校復帰を叶えた子どもも多いです。
うつ病や発達障害といった問題は、精神科や心療内科などの医療機関へ行って治療を受けることが望ましいでしょう。
このような機関が子どもの安心できる居場所になる可能性もあるので、「家庭内で問題を解決しなくてはならない」など、周囲が思い詰めないことも大切です。
また、「不登校中におすすめの勉強方法を紹介!」に不登校中の勉強の方法についてもまとめているので、是非参考にしてみてください。
不登校の原因は十人十色!困ったときは専門家に相談を
不登校になる原因や、原因が分からないときの対処法について解説しました。
不登校になる原因は人それぞれで、いろんな問題が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。
とくに本人も原因が分からないケースは、周囲だけで問題を解決しようとせず、専門機関や医療機関などを視野に入れてサポートしてもらいましょう。
不登校になってしまったときに大切なのは、子どもの行動や思いを否定せず、共感してあげることです。
子どもの気持ちを尊重することで、些細なことでも素直に話してくれるようになるでしょう。
今はインターネットの普及やコロナ禍によって、これまでになかった悩みや問題を抱える子どもが増えています。
また、不登校を克服するきっかけとなった出来事についてまとめている記事については、「不登校を克服するきっかけとは?親や周囲ができることは?」をご覧ください。
子どものSOSを早期発見し、適切な対策ができるよう、不登校の原因を把握して子どものようすを注意深く見守りましょう。